お手軽省電力設定のマージンがほぼないGeForce RTX 5070 Tiの消費電力計測

NVIDIA「Blackwell」世代の「GeForce RTX 5070 Ti」を搭載したグラフィックボードの消費電力を計測します。
位置づけ的にはミドルハイGPUに相当しますが、スペックが少し上のハイエンド「GeForce RTX 5080」とビデオメモリが同じ16GBでありつつ価格が抑えられています。

購入したのは「PNY GeForce RTX 5070 Ti 16GB Overclocked Triple Fan」。
トリプルファンを搭載していますが、カードの体積はコンパクトにまとまっています。

外観

代理店のアスクの寸法を参照すると約299.5×120×59.6mmとなっています。
2.98スロット厚となっており、他の「RTX 5070 Ti」が2.5スロット厚が多い中で厚みがあります。
その変わり長さや高さについては抑えられている傾向です。

検証環境

PC構成

CPUIntel Core Ultra 7 265K
Coolernoctua NH-U12A chromax.black
M/BASUS Z890 AYW GAMING WIFI W
MEMORYARK ARD5-U32G88HB-56B-D
GPUPNY GeForce RTX 5070 Ti 16GB Overclocked Triple Fan
電源SUPER FLOWER SF-1000F14HT
SSDSamsung 980 PRO MZ-V8P2T0C/IT
OSWindows11 Pro 25H2
その他logicool MK240
GbLAN接続
DP接続4K@60Hz(3840×2160)
ワットチェッカー REX-BTWATTCH1

UEFI version:2401

省電力設定について

Windows11(25H2)をクリーンインストール後、UEFIの省電力設定とメモリをDDR5-6400に変更して再起動したらWindowsが修復の画面となり、進捗インジケーターも出ずにずっと画面がフリーズしました。
メモリ設定をAuto(DDR5-5600)に変更しても同じ。
UEFIデフォルトにしてもWindows起動せずでした。

再度Windowsを再インストール。
その後以下の方法を試みたのですが、省電力設定を断念しました
・省電力関連のみ変更→起動OK
・DDR5-6400に変更→起動不可、進捗インジケーターも出ない状況は1度目と同じ
・メモリ設定をAuto(DDR5-5600)に変更→起動NG
・UEFIをAutoに戻す→Windows起動
・再び省電力関連のみ変更→起動OK
・一度シャットダウンして起動する→起動NG
・UEFIをAutoに戻す→Windows起動

定格がDDR-5600のメモリなので、DDR5-6400に変更するとWindows起動NGとなるのはまだ分かるのですが、クロックを元から起動していたデフォルトに変更しても起動できない症状が変わらないのは謎です。
また、同じ設定でもWindowsを一度シャットダウンすると次は起動NGとなる点も疑問です。
UEFIのバグを疑ってるのですが、はっきりしたことは分かりません。

Core Ultra7の計測時でも苦労したことがありましたが、今回は別事象です。Core Ultra世代は今ある構成でしか使っていませんが、良い印象がありません。

計測できた時点のアイドルの状態は
省電力関連全て有効→40.7W
UEFI,Windows全てデフォルト→41.5W
これもUEFIのバグかもしれませんが、「GeForce RTX 5070 Ti」を載せた状態では省電力設定がほぼ意味をなしておらず、デフォルト設定のまま計測していきます。

消費電力・ベンチマーク

アイドルの計測結果

3840×2160の解像度でリフレッシュレートを変更して計測しました。

UEFI設定消費電力
GPU取り付け前(60Hz)24.0W
(120Hz)24.8W
(144Hz)25.5W
GeForce RTX 5070Ti取り付け後(60Hz)41.5W
(120Hz)46.2W
(144Hz)47.3W
GeForce GT 1030取り付け後(60Hz)29.7W
(120Hz)31.4W
(144Hz)-

GPU取り付け前後では17W~22Wほど異なります。
ついでに手元にあったGeForce GT 1030も計測してみましたが、さすがに省電力です。

以降は特に記載がない場合、4K@144Hzで計測しています。

負荷時の計測結果

ベンチマークスコア

消費電力

【最大・平均消費電力】ワットチェッカーで計測したシステム全体の消費電力
【最大消費電力】極端に高い数値は除外し、1Wの差で2回以上記録できた数値
【平均消費電力】極端に高い&低い数値は除外した平均
【HWInfo読み最大消費電力】GPU消費電力の小数点第2位を四捨五入

ベンチマーク中の消費電力はシステム全体で平均400W程度、GPU単体はHWInfoは最高300Wあたりを記録しています。

Power Targetの変更

Power Limitを下げて計測します。
設定できる下限値が83%なので、100,90,83%の3パターンを記録します。

ベンチマークスコア

PL100%から83%に制限しても3DMarkではわずか2.5%しか変わりません。
FF15ベンチはスコアはほぼ変化なしです。

消費電力

【最大・平均消費電力】ワットチェッカーで計測したシステム全体の消費電力
【最大消費電力】極端に高い数値は除外し、1Wの差で2回以上記録できた数値
【平均消費電力】極端に高い&低い数値は除外した平均
【HWInfo読み最大消費電力】GPU消費電力の小数点第2位を四捨五入

FF15の最大消費電力はスパイク値が複数回計測されるのでPL制限しても不安定な結果となります。
平均消費電力で見るとPowerLimitを下げればそれに応じて低下していきます。
PowerLimit下限の100%から83%にすると40Wほど消費電力が下がります。
スコアは数%の違いしかないので、PowerLimitが低いほど電力効率の面では良いです。
「Ada Lovelace」世代のRTX40シリーズはスイートスポットがPL値60%あたりだったので、大きくアーキテクチャが変更されていない「Blackwell」でも同じような傾向にはなりそうな予感です。
PLの下限値が狭くなり、お手軽な省電力化の幅も限られてしまい残念です。

OCCT

OCCT電源テスト(CPU&GPU同時負荷)を3分回した時の最大消費電力は658Wでした。
設定で電力周りの制限(CPU TDP125W / GPU PL83%)にすると、OCCTの負荷で456Wになります。

CPUとGPUが同時に100%負荷が続く状況はおそらくあまりないと思われるので、「Core Ultra 7 265K」と「GeForce RTX 5070 Ti」をデフォルト設定で使用するには750Wか、少しマージンを見て850Wあたりあれば良さそうです。
もし電力周りで不足してそうな疑いがあるなら、パフォーマンスは若干低下しますが、設定で多少の電力調整は可能です。
1000Wクラスの電源であればかなり余裕があります。

サイバーパンク2077 4K

サイバーパンク2077を4K、レイトレーシングウルトラ設定をベースにベンチマークを取りました。

DLSS Frame 3xを使用すれば4K 144Hzのディスプレイでも快適にプレイできます。

一部消費電力計測した結果、PL制限をしてやはり40W弱の差となります。

計測内容ワットチェッカー平均HWInfo読み最大消費電力
Cyberpunk 2077
レイトレーシングウルトラ
+DLSSバランス
+DLSS Frame 2x
419W289.1W
↑PL83%383W255.8W

サイバーパンク2077 WQHD

続いてWQHDを一部ベンチマーク計測しました。

WQHDであればDLSS Frame 2xでも144Hzは超えます。

計測内容ワットチェッカー平均HWInfo読み最大消費電力
Cyberpunk 2077
レイトレーシングウルトラ
+DLSSバランス
+DLSS Frame 2x
400W250.9W
↑PL83%386W235.6W

PowerLimitの効果はあまりないですが、ベンチマーク結果もあまり変わりませんでした。

雑感

OCCTの負荷中に出たHWInfoの数値でGPUが300W(100%)、250W(PL83%)となっていたので、PowerLimit83%が下限なのは300*0.83=249という計算式になります。
250W以下を許容しない設定となっていますが、これ以上は低電圧などで消費電力を下げて安定領域を探る方法しかできません。

「RTX 5070 Ti」はTGPが300Wなので、ミドルハイのGPUとしては熱処理はそこまで難易度が高くないと思います。
「RTX 4090」はTGPが450Wで大体TGP300WあたりにPL制限をしていますが、ケースが「Define 7 Compact」でも1年以上問題なく使用できています。

ただし「RTX 5070 Ti」は登場時からベイパーチャンバーを止めて熱設計が簡素化されたモデルも出てきており、過剰な設計を見直すところもありました。
熱処理については過剰なぐらいが余裕あって良いと思うので、この傾向は残念ではあります。

「PNY GeForce RTX 5070 Ti 16GB Overclocked Triple Fan」はファンの最低回転は30%からになります。
もちろん音はしますが、ケースに入れてしまえば気にならない程度にはなりそうです。
ベンチマーク中もうるさいと思う場面はなく、コイル鳴きも他と比べてうるさいと感じることはありませんでした。
バラック状態で耳元から1mもないぐらいの距離で、バイオハザードRE4を1時間ほどプレイしましたが騒音については特に気になりませんでした。

「PNY GeForce RTX 5070 Ti 16GB Overclocked Triple Fan」はハイエンド帯では巨大化するグラフィックボードの中で、ベイパーチャンバーを採用しつつほどほどにコンパクトでバランスの良くまとまっているグラフィックボードです。

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